ナロベイターが掲げる基本条間は「27cm」。
そして対応するトラクターの馬力は「16ps~」。
これまでロータリーカルチを使用できなかった畝幅への対応が可能となる。
様々な爪のタイプと胴体のサイズを検討。
平畝、平高畝問わず使用できるようバリエーションを持たせる予定。
着目したのは回転刃の回転方向。
アッパー回転は砕いた土を前に飛ばすことで砕ききれなかった土塊はカルチの前に飛ばされ何度も回転刃が迎えに来る。
また、アッパー回転と通常の正転とを比較すると、トラクターの操縦が段違いにやりやすくなった。
正転ではトラクターのタイヤと回転刃が同じ方向に回転するためPTOのギアを上げるとトラクターが後ろから押されたように前に進もうとしてしまう。カルチも横に滑ってしまった。
しかしアッパー回転はその逆、トラクターの直進に逆らうため、進行速度はゆっくりでもPTO回転は高速といった作業が格段にやりやすくなった。
中耕と畝間除草を回転刃でゴリゴリ行えるロータリーカルチ。
しかし、従来の既製品は畝間が広い作物に対応したものが多く、
にんじんやタマネギなど畝間をつめて植えるいわゆる「幅狭畝」では使用が難しかった。
ロータリーカルチの使用を検討するとトラクターの馬力は基本的には30ps以上が要求される。
馬力13psから対応の製品もあるがやはり狭い畝に対応するものは見つからない。
条間が広くそもそもロータリーカルチを使用しているユーザーにとっては当たり前だが、にんじんやタマネギにはそれほど大きいものは必要ない。またトラクター幅が広すぎる場合もある。
にんじんやタマネギの畝に使われるトラクターは馬力16psのユーザーが多いだろう。
農薬を使用している場合でも作物に肥料は蒔く。
ロータリーカルチは土を反すため、空気を取り込みながら肥料を地中に混ぜ込むことが可能。
試験を行ったのは、少し除草時期が遅れてしまった圃場。
作物より背が高くなってしまった雑草も、カルチの通った畝間は除草がされていた。
早期であれば畝間の雑草は一掃できるであろう。
雨に打たれて硬くなってしまった圃場や、
土が硬く地割れを起きてしまった圃場などで試験。
アッパーロータリーが活躍し問題なく中耕除草が可能であった。
(トラクター馬力=16ps、PTO=2速、トラクター速度=2速)
やわらかい土質。
乾燥した状態で試験。
硬い土質。
乾燥しきった状態で試験。
やわらかい土質。
作物より雑草の背が高い状態で試験。